こだわり

病気にならないための食育

 
病気にならないための食育

私は元々透析治療を専門とする病院で管理栄養士として働いていました。透析治療とは、腎不全で体の中の毒素を自分で排出できなくなった方々のため、腎臓の代わりに毒素を体から排出する治療法のことです。透析治療では食事を誤ると命の危険が伴うため、厳しい食事制限が必要となります。そんな環境で、健康とは何かということをよく考えました。
結婚後、愛知県に移り住んでからは、主人の経営する接骨院にて受付として、患者の方たちに栄養士の経験を活かして健康相談をしておりました。そのうちに料理を教えてくれないかと相談を受けることが多くなり、料理教室を始めることとなりました。

病気にならないための食育

実は、主人の祖母も義父も腎臓病で亡くしています。子ども達が生まれ、主人はもちろんの事、子ども達にもリスクがあるのでは、との不安がずっと拭えませんでした。そこで我が家の食事は減塩食にするなど工夫を重ねてきました。
しかしながら、すべてうまくいったわけではありません。子どもは好き嫌いするし、絵本で読んで「キノコは毒があるから食べれない」と言うし、試行錯誤の連続でした。特に問題だったのが私の作る料理が病院で培われたものだったので、高齢者向けの味付け。子どもの味覚に合わず、子ども向けの料理に落とし込むことに苦労したものです。
長男が10歳の節目を迎えたときに、残りの子育て期間が半分を切ったととても短く感じました。
大切な時期に何を子どもに伝えのるか。私の場合親元を離れたとしても料理で体を守ることを身につけさせることでした。

息子に料理を教えていくと、思わぬ効果が現れました。今までは、好き嫌いで食べなかった食材も、自分で料理をすると食べられるように。また、料理ができる事で自己肯定感が上がりしました。息子は味付けのセンスがいいんですよ。酸味を利用したり、香辛料を取り入れたりしています。実はどれも減塩食の技です。
彼なりに、着実に成長している姿が頼もしいこの頃です。

子どもが成長し、いつも子どもの友達が家に遊びに来るようになりました。そんな子ども達と接するにつれ、多くの子ども達が毎日を元気に過ごして欲しいと考えるようになりました。
そこで「子どもの明日を元気にしたい!」
そんな強い思いから私は「コドモりょうり塾」を開き、「元気に過ごすために何を食べたらいいのか」「料理の技術」を二つの大きな軸として教えています。